October 15, 2011, ナナメ読み
ネット規制法でみんなが海賊ロイヤリティーに?!
アメリカでは今年に入って通称「Protect IP ACT」が提出されたり、さらにパイラシー撲滅のための「Stop Online Piracy Act (SOPA:オンライン海賊行為防止法案)」が先月下院に提出されるなどインターネット規制に拍車かけようとする傾向が強まっている。Protect IP ACTは「経済的創造性と知的財産の盗難に対するネット上の本物の脅威を防ぐための法案2011年」(仮訳です)という長くてわかりにくい正式名称で、司法省が著作権を侵害しているサイトを『侵害サイト』と指定するとProtec IP法によってそのサイトがサーチエンジンの結果に表示されなくなり、サイト主は広告を出せなくなり、ネットでのカード決済も停止してしまうというもの。
また今年6月に広告代理店のWWPがにワーナーブラザーズやパラマウント、ユニバーサルらの協力で海賊行為ウェブサイトをリスト化した。このブラックリストのなかにはVibe.comも含まれていほか、50centのthisis50.comも権利侵害サイトとされている。レコード会社の公式ページだけが優良サイトなのだと言わんとばかり。一方今月、アメリカ下院で公聴会が開かれた「Stop Online Piracy Act (SOPA:オンライン海賊行為防止法案)」をサポートしているのはNintendoやSony、Appleのほか米映画協会(MPAA)に加え、米レコード協会(RIAA)など。
海賊行為を支持しているわけではない。
しかしこうした法案は「侵害」や「海賊」の定義があいまいで社会的経済効果をもたらす技術をつぶしかねない。
MPAAやRIAAは海賊行為による経済的損失を危惧し規制に走ろうとしているのだろうが、デジタル音楽配信が活発になる中、アーティストのための損益分岐点を守ろうと必死なのはインディーズも同じだ。今月16日、ダブステップやDrum&Bassを得意とするUKのインディーズレーベルST Holdingsは人気ストリーミングサービスのspotifyの登録を解除した。
これでspotifyで聴けるインディーズ音楽が減る。ST Holdings社は「750,000回Spotifyでストリームがあっても、そこから売上になるのは £2,500だけ」という事例を挙げ、ストリーミングサービスを通じた利益回収の難しさを示している。
テクノロジーが発展とアーティストの利益は反比例なのだろうか。目新しく、面白いイノベーションは、時代に合わない法律を破り続けなければいけないのだろうか。
「コピーライト・クリミナルズ」にも登場するヒップホップアーティストのEl-pは、Legitmixというプラットフォームを使って“Rush Over Bklyn”をリリースした。Legitmixは元ネタとなるサンプル音源も一緒に販売することで、権利侵害するどころかサンプル音源のアーティストやレーベルの利益にもなるという仕組みだ。権利関係を理由にお蔵入りしていたリミックスも、Legitmixを通じて販売できるというわけ。Rushのトムソーヤを使ったこのミックスは実際にRushのセールスに貢献できることになる。(今回の発売の売り上げは無保険で闘病中のDJ MR DIBBSの医療費への寄付に充てられる)
音楽を愛する人々が犯罪者となる世の中より、技術も文化も法律も共に発展できる未来になってほしい。
参考:
WNYC On The Media
http://www.techdirt.com/blog/?company=wpp
http://news.mynavi.jp/news/2011/11/17/043/index.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111125-00000317-giz-ent
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1835.html